熱の移動は3形態
| 形態 | しくみ | 例 |
|---|---|---|
| 伝導 | 物質の中を熱が伝わる | 金属棒の一端を熱すると他端も熱くなる |
| 対流 | 温まった液体・気体が移動して熱を運ぶ | ストーブで部屋全体が暖まる、風呂の湯 |
| 放射(ふく射) | 電磁波として熱が伝わる(物質を介さない) | 太陽の熱、たき火に当たると顔が熱い |
- 放射は真空中でも伝わります(「放射は空気がないと伝わらない」は誤り)
- 対流は固体では起こりません(固体は伝導)
熱伝導率 — 金属は大きい
熱の伝わりやすさ(熱伝導率)は、一般に 固体(金属)> 液体 > 気体 の順です。
- 熱伝導率の大きい物質ほど熱が逃げやすく、燃えにくい
- 逆に、木材や紙のように熱伝導率が小さい物質は、熱が一点にたまり燃えやすい
「熱伝導率が大きいものほど燃えやすい」は向きを逆にした定番の誤り選択肢です。
熱膨張と空間容積
物質は温度が上がると膨張します。膨張の度合い(体膨張率)は 気体 > 液体 > 固体 の順に大きく、気体は温度・圧力で大きく体積が変わります (シャルルの法則: 一定圧力では絶対温度に比例)。
危険物の実務で重要なのは液体の熱膨張です。
- ガソリンなどを容器に詰めるとき、液温上昇による膨張分の空間を残します
- 運搬容器では内容積の98%以下の収納率とし、55℃で漏れない空間容積を確保します
「容器にすき間なく満杯に詰めるのが安全」は誤り——膨張した液体が容器を破損させたり 噴き出したりする危険があります。
比熱と熱容量
- 比熱: 物質1gの温度を1℃(1K)上げるのに必要な熱量。比熱が大きいほど 温まりにくく冷めにくい
- 水は比熱が大きい代表で、これが冷却消火に水が有効な理由の1つです
学習のポイント
「3形態の区別」「金属は伝導率大→燃えにくい」「膨張分の空間を残す(98%)」の3点が 出題の中心です。理屈とセットで覚えると正誤の向きを間違えません。